先日のメイン PC のトラブルにより、Windows11 と Windows10 の Dual boot が出来なくなりました。Windows11 は問題なく起動できるようになりましたが、Windows10 が使用できない状態です。Windows10 が使用できないと本業のリモートワークが出来ない事になるので、急遽ですが Windows10 の Mini PC を購入しました。今回は、購入した Mini PC MINISFORUM GK41 の使用感について記事にします。
20230408 追記 : MINISFORUM GK41 の記事の続編です。
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購入した経緯
現在メインに使用している (といっても1台しかありませんでしたが) PC は、Windows11 と Windows10 を Dual boot できるようにしていました。普段の作業は Windows11 に完全に移行しましたが、本業のリモートワークの環境が Windows10 じゃないと使用できない為、Dual boot で Windows10 を残していました。
しかし、ハッキリとした原因は分かりませんが、急に起動できなくなりました。顛末については以下の記事にまとめています。
なんとか常用環境の Windows11 を起動できる所までは復旧できましたが、この状態で Dual boot 出来る所まで設定する事に不安を感じていました。Windows11 が復旧できたのは3月26日(土)の真夜中。その日の夕方の時点では復旧できる見込みはない状況でしたので、とりあえず本業のリモートワークが出来る程度の能力で安価な機種を Amazon で見繕って注文しました。
予算3万円を上限に探すと様々な機種がありましたが、全く聞いた事のないメーカーでは不安がありましたので、Youtube 等で商品紹介の動画を見かける MINISFORUM の機種に絞り、GK41 という機種を選びました。
開封
26日(土) の 22:00 に注文、27日(日) の 17:00 頃に到着し、Windows10 の初期設定と Windows Update を済ませ、リモートワーク用の設定を行い、何とか28日(月) の始業時刻まで間に合いました。
Mini PC は昔から好きで色々と触ってきましたが、新しい機器を初めて使うのはワクワクします。
本体
上面:
上面は殆どがスリットとなっています。内部に fan がありますが、主に上面から吸気しているようです。
本体の寸法を実測すると W135 x D120 x H34 (ゴム足含まず33) でした。
正面:
電源ボタンと USB 3.0 x 4 です。USB は正面にのみあります。
右側面:
TFカードと Line out、Mic in、向かって右側にもスリットがあります。
背面:
Display Port と HDMI、LAN x 2、電源入力です。電源は12V、AC アダプタは 12V-3A です。CPU & GPU (Celeron J4125 + UHD600) が 15W でリミットがかかるので 36W あれば十分でしょう。
左側面:
こちらはスリットのみです。ここから排気します。fan は静かで、CPU / GPU 温度が上昇しても殆ど音がしません。それなりに暖かい風が少しだけ出てきます。
下面:
技適マークがシールで貼られています。調べると Realtek のものでした。Wifi も Bluetooth も国内で使用できるものです。
ゴム足4箇所の下に隠れてネジがあり、外すと内部にアクセスできます。今回は開けませんでしたが、SATA SSD を注文していますので、届いたら分解して内部も調べる予定です。
上側にあるネジが VESA マウントブラケット取付用のものです。
付属品 : その他
上が VESA マウント取付用ブラケットで、下側に 75mm・100mm ピッチで穴が二つ空いています。上側は本体に取り付ける穴で側 83mm ピッチです。私はモニタースタンドで VESA マウントを使用していますので、残念ながらモニター背面に取り付けることはできません。
左下は SSD 取付用のネジ、右下はゴム足の予備です。
初期設定
一般的な OEM 版 Windows10 Pro の install です。電源を入れたら、言語や keyboard の設定から始まり、質問に答える形で進んでいきます。個人的な設定としては、
- Windows10 が必要ですので Windows11 への upgrade はスキップしました。
- Microsoft Account に紐付けしました。
を行いました。
設定が終了して再起動したら Windows Update を実施しました。流石に CPU 4c & SATA SSD だとそれなりに時間を要しました。Windows Update 終了すれは操作はそれなりの速度です。キビキビとした動作ではないですが、どちらかというと 4K で使用している為かと思います。
仕様の確認
デバイスマネージャーや HWiNFO で中身を確認してみました。SSD 増設の際に、実際に内部も確認する予定です。
Motherboard、CPU、GPU
Motherboard は BESSTAR Tech G87 と表示されています。BESSTAR Tech が会社名、MINISFORUM がブランド名になります。自社開発の Motherboard なのでしょうか、ググってもこれ以上の情報はありませんでした。
CPU は Intel Celeron J4125 (Gemini Lake Refresh)、4c4t で TDP 10W です。GPU は内蔵 UHD Graphics 600、memory は 1GB でした。
HWiNFO で負荷を表示させながらみた所、CPU & GPU で 15 W で制限が掛かっているようです。
UEFI は American Megatrends 製でした。設定は殆どありません。昔ながらの CUI ベースです。
memory 8GB
デュアルチャネル動作の DDR4-2133 でした。おそらく on-board だと思いますが、中を開けたときに確認します。
Windows10 Pro
もしかして Home かなぁと心配していましたが Windows10 Pro でした。認証も通って日本語も問題なく使えています。
M.2 SATA 256GB SSD
モデルは minisforum、容量は256GB でした。ESP 100MB + メイン 237GB + 回復パーティション 1.7GB に分割されていました。Windows10 Pro のリカバリも回復パーティションから可能です。
Crystal Disk Mark の結果は Sequential Read/Write それぞれ 500 MB/s、Random RND4K Q1T1 Read/Write 31/70 MB/s ですので、通常の SATA SSD と変わらないかと思います。
Ethernet 1Gbps x 2
Realtek PCIe GbE Family Controller x 2 です。Windows10 では詳細な仕様が見えませんので、Linux を入れた時に確認してみます。
Wifi & BT
Qualcomm Atheros QCA9377 です。Wifi は最大 433 Mbps に対して、Speedtest で 280 Mbps 程度出ていますのでまずまずでしょう。mouse 程度ですが Bluetooth も問題なく接続できました。
使用感
「最近の PC の能力」は求めずに「本業の事務用 PC + α」程度の能力を安価に実現する事を目的としていますので、これを基準とした判断になります。
- 本業のリモートワーク用の VPN & 仮想マシン接続用として使用する分には十分な機能でした。1週間毎日使用しましたが、特にトラブル等はありませんでした。負荷もそれほど上昇せず、CPU & GPU 温度も 50 ℃ 付近で安定していました。
- この程度の負荷であれば、熱も殆ど発生していません。左側の排気口に手を近づけても、ほんのり暖かい程度でした。
- ファンの音が殆ど聞こえません。上部のスリットから吸気、左側面のスリットから排気していますが、触れたら空気が動いているのは分かりますが、耳を近づけても音が聞こえません。
- 【20220404追記】Ratoc REX-BTWATTCH1 で測定すると、待機電力は 0.7W、起動時やログオン直後に一時的に 10W を消費しますが、アイドル状態では 3W 程度でした。
通常の PC として使用する事を想定した場合ですが、
- メインで使用している Ryzen 7 3800x + memory 32GB + M.2 NVMe SSD + nVidia GT1030 と比較すると、流石に反応が遅く感じる事が多いです。memory が 2133、Video が UHD 600、4K 60Hz 表示、SATA SSD 等、理由は色々と考えられますが、価格差を考えたらそれなりかと思います。
- Youtube 4K 動画の再生は、GPU の Intel UHD 600 の動画再生支援機能が働くためか、CPU 負荷低めでコマ落ちもありませんでした。GPU の負荷も 50% 以下で推移、ただし、CPU & GPU 温度は70℃近くまで上昇しました。
- CPU & GPU が 70℃で推移していても、左側面の排気はほんのり暖かい程度でした。
- 【20220404追記】4K 60Hz で Youtube 4K動画を表示しつつ、Cinebench R23 で CPU に負荷を掛けてみた所、CPU パッケージの消費電力は 15W、その時の Ratoc REX-BTWATTCH1 の測定値は 25W でした。4K動画を停止し CPU にのみ負荷を掛けると、IAコアの消費電力は 7.8W で制限が掛かっていました。恐らく、CPU 全体で 15W -> IAコア8W + GPU7W の制限が掛かっていると考えられます。
画面出力について (注意事項)
MINISFORUM GK41 は HDMI と Display Port の両方で 4K 60Hz 表示が可能となっていますが、私の monitor (Acer VG270k、4K 60Hz、HDMI 2.0 x 2、DisplayPort 1.2 x 1) では
- HDMI では 4K 50Hz まで。4K 60Hz の選択肢が現れない。
- DisplayPort では 4K 60Hz は選択できるものの表示が乱れる。4K 30Hz に落としたり、DisplayPort の Version を 1.1 に落としたりしても発生する。
という状況になりました。
DisplayPort で接続すると、画面の点灯・消灯を繰り返したり、水平方向に一時的にズレたり、という現象が出ていました。
この現象については、Amazon の販売元の Super Kind Trade LTD へ連絡した所、もう1台の MINIFORMS GK41 を借用する事が出来ましたので、元の GK41 と比較してみました。この場を借りて Super Kind Trade LTD にお礼を申し上げます。
- メールのやり取りの中で、モニターとの相性があると教えてもらいました。推奨は LG 又は HUAWAY 製で、Dell 製では不具合が多いとの事です。
- 借用した GK41 だと次のような状態でした。
- DisplayPort 4K 60Hz で安定して表示できました。ただし、付属の DisplayPort ケーブルではダメで、モニターに付属していた DisplayPort ケーブルだと OK でした。
- HDMI は 4K 50Hz までしか表示できないのは変わりませんでした。
という事で、DisplayPort 接続については 4K 60Hz で表示できるようになりました。残念ながら手元にはモニター1台しかありませんので動作確認が十分に出来ませんでしたが、とりあえず DisplayPort 4K 60Hz で安定して表示できた方の GK41 を使用する事にしました。(もう1台の GK41 は返却しました)
Intel Celeron J4125 の UHD 600 の仕様上は
- DisplayPort : 4096x2160@60Hz
- HDMI : 4096x2160@30Hz
まとめ
メイン PC が不調となり、あまり検討する時間がない中で、MINISFORUM GK41 を購入しました。
本業のリモートワークには問題なく対応でき、事務作業や動画鑑賞、Web を見る程度であれば、十分すぎる能力の PC でした。省電力な PC なので、常時稼働させる Windows10 Pro や Linux として使用するのも面白いと思います。
普段は keyboard & mouse なしで起動させて、リモートデスクトップ接続で繋げて使うのも便利です。
SATA SSD (Crucial MX500 500GB) を注文しましたので (貯まってた楽天ポイントで購入)、増設の際に内部も確認したいと考えています。BX500 と迷いましたが、1000 円位の差でしたので MX500 にしました。