音楽を大音量で聞きたくなって、久々にヘッドフォンを取り出して接続してみると、片側の音が出なかったりガリガリとしたノイズが入ったりしていました。差し込む側の φ3.5 ミニプラグに触れると改善したり変になったりしていたので、ミニプラグ付近で断線しかかっているのだと推測しました。それほど高価なヘッドフォンではありませんが、ミニプラグを交換して接触不良を解消し、再び使えるように直してみました。
ヘッドフォンの状態
使用しているヘッドフォンは、オーディオテクニカ製の ATH-AVC200 という製品です。
ATH-AVC200|ヘッドホン|株式会社オーディオテクニカ
audio-technica ヘッドホン 音楽・映画観賞用 ATH-AVC200
- 発売日: 2020/08/04
- メディア: 付属品
それほど高価な製品ではありませんが価格相応の音質で、普段使いには十分なものだと思います。
φ3.5 ミニプラグは外観上は特に異常はありませんでしたが、プラグを差し込んで音楽を聴いていると
という状態でした。おそらく φ3.5 ミニプラグの付け根付近で断線しかかっていると推測しますが、プラスチックモールドされているので分解修理は出来ません。
そこで、φ3.5 ミニプラグを購入し取り換える事にしました。
購入した φ3.5 ミニプラグ
Amazon で探すと4個で600円、3個で360円などの安価な品もありましたが、安すぎても心配なので評価の高い NEUTRIK の製品にしました。
製品情報には記載がありませんが、Amazon の下記の製品です。
φ4 までのケーブルに対応するとの記載がありますので、高級なヘッドフォンの太いケーブルには適合しません。今回は細い φ2 位のケーブルでしたので、問題ありませんでした。
必要な道具
ヘッドフォンの φ3.5 ミニプラグを交換するのに必要な道具は以下の通りです。
はんだごて
継続して使用するなら温調式のはんだごてが使いやすいと思います。使用頻度が少ないなら 低出力 (23W か 30W) の物が安価で良いと思います。おもちゃの線が外れた位の修理には十分です。
テスター
かなり昔に購入した kaise SK-6511 というテスターを使用しています。丈夫で壊れないので買い替えできずにいます。買い替えるなら、ちゃんとしたテスターにしたいと思っています。PC やスマホに接続して記録できるタイプも良いですね。
sanwa デジタルマルチメータ & 光リンク接続 KB-USB7【セット買い】
- メディア: セット買い
ニッパー
ホーザン(HOZAN) ニッパー ストリップ穴付の太線対応 切断能力 銅線 2.6㎜φ/銅より線 2m㎡/鉄線 1.6㎜φ N-9-125
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: Tools & Hardware
ストリップ穴付きのニッパーが簡易的には便利です。カッターでもなんとかなりますが、作業性を良くするならワイヤーストリッパーは別に用意した方が捗ります。
ピンセット
細い線を狭い所ではんだ付けするので、ピンセットで線を掴んで作業しないと難しいと思います。
開封
購入した φ3.5 ミニプラグは小さな小袋に入った状態で届きました。
袋の中には3つの部品が入っていました。中央がミニプラグ本体、右が絶縁チューブ、左がプラグボディーになります。ミニプラグ本体をテスターで調べたのが下の写真になります。
赤色が Right (右)、青色が Left (左)、黒が GND (グランド) になっていました。Right 側の線を取り付ける端子が、Left 側に比べて長くなっていました。
交換手順
後は、テスターで古いφ3.5 ミニプラグの結線を確認して、はんだ付けするだけです。
古いφ3.5 ミニプラグの結線の確認
φ3.5 ミニプラグから少し離れた所でニッパーで切断し、被覆を剥いたのが下の写真です。
一つの線の中に、赤色と銅色、青色と銅色の線が撚られて入っていました。それぞれの線は被覆で絶縁されていましたので、先端にはんだを乗せてφ3.5 ミニプラグとの結線を確認した所、
- 青色の線が Left
- 赤色の線が Right
- 2本の銅色の線が共に GND
に接続されている事が確認できました。
プラグボディーと絶縁チューブをヘッドフォン側のケーブルに入れる
これを忘れると凹みます。先に差し込んでおきます。プラグボディー、絶縁チューブの順番に入れます。プラグボディーは向きがあるので、雌ネジ側を新しく取り付けるφ3.5 ミニプラグ側にします。
新しいφ3.5 ミニプラグにヘッドフォンのケーブルをはんだ付け
- 表の被覆を10mm程度剥く
- Right (赤色)、Left (青色)、GND (銅色)に分けて、先端にはんだ付けしておく
- 新しいφ3.5 ミニプラグの端子部分にはんだを載せておく
- それぞれの線をはんだ付けする。順番は GND を先に付けておいて、その後に Right、Left を付けると楽に作業が出来ました。
完成した状態が下の写真です。
動作確認 (仮)
はんだ付けが終わって冷めた時点で、一度 PC に接続して動作確認しました。
- 左右から音が正常に聞こえること
- 左だけ、右だけで音を出して、左右が間違っていないこと
- φ3.5 ミニプラグを回しても音が乱れないこと
- 線を動かしても音が途切れないこと
と、正常に動作する事を確認しました。
仕上げ
動作確認が済んでから、最後の仕上げ作業を行います。
- ケーブルクランプでケーブルを挟んで動かないようにする。
- 絶縁チューブをはんだ付け部分に差し込む
- プラグボディーをφ3.5 ミニプラグにねじ込む
1番目の項目については、Amazon の製品ページにも注意書きがありますね。
もう一度、正常に動作する事を確認して終了です。
まとめ
ヘッドフォンを久々に使ってみたら、右側から音が出なかったりノイズが出たりと不具合が発生していました。原因は φ3.5 ミニプラグ付近の断線と考えられたので、ミニプラグを交換する事によって不具合が解消できました。
安価なヘッドフォンですが、これでまた暫くは使える状態になりました。もう少し良いヘッドフォンを欲しいとも思っていますが、同じ不具合が生じた場合の良い練習になりました。
ヘッドフォンの線って考えていたより細く、はんだ付け作業はやりにくいものでした。もう少し経験を積む必要があります。これからも、ちょっとした事であれば修理できるように腕を磨きたいと考えています。