hiroの長い冒険日記

主にコンピュータ周辺の興味を持った内容を綴ります

Synology Active Backup for Business の backup から recovery してみた (断念)

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私の Windows10 PC の C drive は Synology DS218+ に日々 backup を取っています。data は元々 C drive には入れずに DS218+ に保管していますが、PC が故障した際の復旧を早くするために、Synology Active Backup for Business を使用して1日1回の差分バックアップを取る設定にしています。しかし、これまで backup から復元した事が無く、本当に早く復旧できるのか分からない状態でした。今回、WD Black SN850 2TB を購入したのを機に、実際に backup からの復旧が早くできるかどうかを確認してみました…と言いたかったのですが、今回は失敗、断念しました。手順と recovery に要した時間を記載します。近いうちに再チャレンジします。

経緯

Windows10 PC の backup は、当初は Paragon Backup & Recovery 17 Free を使用していました。此方については backup からの復旧が出来る事を確認しました。
hiro20180901.hatenablog.com
ただ、Paragon Backup & Recovery 17 Free は差分バックアップが出来ない事が不満でした。そこで、Synology Active Backup for Business を使用するように変更しました。
hiro20180901.hatenablog.com
file 単位での復旧が出来る事は確認していましたが、backup 全体の recovery は未実施の状態でしたので、復旧を早期にできるかどうかが確認できていませんでした。

今回、NVMe M.2 SSD の WD Black SN850 2TB を購入しましたので、Synology Active Backup for Business の backup data から backup 全体の復旧が出来るか確認する事にしました。

手順

Synology のサイトに復元手順が記載されています。

kb.synology.com

リカバリメディア作成ガイド(PDF)

Virtualbox 仮想マシンで USB media から起動できましたので、画面付きで手順を説明します。なお、Virtualbox で Synology Hyper Backup for Business 復元メディアを起動する方法は末尾に記載します。

Synology Acrive Backup for Business 復元ウィザードは、Windows ADKWindows PE(Windows プレインストール環境)を使用して、必要な driver が含まれた Windows10 のサブセットである復元メディアを作成する software です。USB media に作成して UEFI から起動すれば、後は手順通りに実行すれば Windows10 を復旧できるはずです。

Synology Active Backup for Business 復元ウィザードを展開する。

Synology のダウンロードセンターから機種名を選択して、Synology Active Backup for Business 復元ウィザードを download し zip file を展開します。

USB media 等に recovery 用の復元メディアを作成する

復元ウィザードを展開した folder 内の launch-creator.exe を起動します。
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USB メディア を選択している時には、下のリストボックスには USB メディア以外は表示されません。install したい USB メディアを選択して「作成」を押します。

なお、私の環境では出ませんでしたが、Windows ADKWindows PE が install されていない場合には install する画面が出ます。Windows Sandbox 環境で試してみた所、次の画面が出ます。
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標準で install すれば OK です。

復元メディアから起動する

USB media から起動すると、次の画面が表示されます。
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右上の「…」をクリックすると menu が表示されます。
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ドライブリストを選択すると認識しているドライバー一覧が表示されます。不足する場合にはドライバーを追加で install することができるようです。(今回は試していません)
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Synology NAS にログインする

IP address と username、password を使用して「接続」を選択します。
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SSL 証明書に関する信頼情報の message が表示されますが「このまま続行する」を選択します。
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バイスとタスクを選択する

複数の PC から backup をしている場合には、対象のタスク名を選択して「次へ」を押します。
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復元モードを選択する

PC に HDD/SSD が1台で、これが故障して復旧する場合は「デバイス全体を復元」を選択して「次へ」を押します。複数の HDD/SSD があり、復元先を変更したい場合には「手動で指定ボリュームを復元(上級)」を選択して「次へ」を押します。
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バージョンを選択する

backup されたバージョン (差分 backup された日時) を選択、復元するパーティションを全てチェック、復元システムボリュームから起動をチェックして、右下の「ディスクのマッピングのカスタマイズ」を押します。
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ディスクマッピング情報が表示されます。ディスク1に復旧したいのにディスク0に復元されるようになっています。ディスク0の復元元を選択して右クリックするとメニューが出ますので「削除」を選択します。
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二つの領域を削除した後で、復元したい HDD/SSD の上で右クリックするとパーティションを選択できます。EFIシステムパーティションは先頭に入れておいた方が良いかと思います。
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バックアップされているパーティションを全て配置したら、OKで元の画面に戻ります。
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元の画面で「次へ」を押します。

要約の表示と復元プロセスを開始

「要約を復元」なんて変な日本語になっていますが、要約の表示と最終確認です。特に復元ボリュームに間違いないかを確認して(間違えていたらデータが消えます!)、「次へ」を押します。
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最終確認の画面が出ますので、「OK」を押すと復元が開始されます。
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復元中の画面

こちらは実機での写真です。
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進捗と速度、残り時間が表示されています。

再起動

こちらも実機での写真です。終了を押すと再起動の message が表示されますので USB media を抜いてから「再起動」を押します。
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復元の手順は以上になります。

NVMe M.2 SSD WD Black SN850 2TB に Windows10 を復旧

Virtualbox仮想マシンで手順を確認しましたので、実機の NVMe M.2 SSD WD Black SN850 2TB に Windows10 を復元してみました。

backup を最新に

確実に最新の状態を作るために、Synology DS218+ の DSM の Hyper Backup for Business から手動で backup を実施しました。

UEFI を表示、USB media から起動

こちらの方法で UEFI から起動するように設定しています。
jisakuhibi.jp

Del key を押すタイミングがずれて Windows10 が起動してしまって…という事を防いで、確実に UEFI で起動できます。

起動順は変更したくないので、UEFI から USB media を選択して起動します。

Secure boot off でも何故か起動できない現象が出て少々手間取りましたがなんとか起動できました。(この辺りから雲行きが怪しくなってきました…)

復元

NVMe M.2 SSD が format 済みでしたので一旦 partition を削除し、EFI と C drive を割り当てました。容量の他に型式も表示されてますので、注意して選択しました。

1TB の約7割を使用している SSD の backup の復元に、1時間26分を要しました。凡そ 130 MB/sec。

1 Gbps = 125 MB/sec ですので、network と Synology DS218+ の HDD の何方がが律速になっているか微妙な所です。

起動 -> 失敗、不具合多発

復旧が終了して再起動し、UEFI から NVMe M.2 SSD を選択して起動した所、一見ちゃんと起動しているように見えますが色々と不具合が出ました。順不同で列記します。

  • UEFI -> NVMe M.2 SSD の ESP 領域 -> 旧 SATA SSD の C drive から起動
  • UEFI から SATA SSD を選択して起動すると、mouse cursor は表示されますが black screen で Windows10 の logon 画面が出ない
  • UEFI fastboot 無効、Windows10 高速スタートアップ無効なのに UEFI を pass して Windows10 が起動
  • 電源 ON や Reset では起動するが Windows10 の再起動では OS が立ち上がらず black screen となる

hardware の不具合も考えて memory や Video を差し直したり、SATA SSD の電源を抜いてみたり、色々やっても次々に不具合が発生するイタチごっこでした。

修復

この時点で NVMe M.2 SSD に Windows10 を復元するのを諦めて、元の環境を修復する事にしました。

SATA SSD から起動できるようにする

こちらのページを参考に、先ずは SATA SSD から起動出来るように修正しました。
freesoft.tvbok.com

Windows10 の installer USB image を使用して SATA SSD の ESP 領域を編集しました。

  • diskpart での作業
    • NVMe M.2 SSD を offline にする (もう一つの Windows を見つけないように)
    • SATA SSD の ESP 領域 (FAT32) に drive letter を付けて扱えるようにする
  • b:\EFI\Microsoft\Boot に移動
  • bootrec /Rebuildbcd を実行もファイルが見つからないエラーで BCD 作成できず
  • bootrec /fixboot を実行もエラー
  • 前行で認識した Windows のフォルダを使用して、bcdboot n:Windows /l ja-JP /s b: /f ALL で書き込み -> 成功

これで、UEFISATA SSD を選択すれば、Windows10 が起動できるようになりました。

NVMe M.2 SSD の復元領域の消去

NVMe M.2 SSD で起動すると SATA SSD から起動出来なくなる現象が出ましたので、折角復元しましたが消去しました。この現象の為に、Windows10 USB から複数回起動して前項の手順を実施しています。(おまけに一度 USB media で起動すると2回目は使えずに作成し直しというおまけ付き)

ASUS の Software を全て消去

motherboard メーカーの Software を入れておくと安定しないと以前に見たことがあったので、ASUS の Software を全て uninstall しました。

UEFI の boot 画面の interval を長く

たまに表示された UEFI の boot 画面を利用して、boot 画面表示の interval を 10 sec と長めにしました。fastboot 無効 な事も確認しました。念の為、高速スタートアップも一度有効にした後に無効にしました。

ようやく修復完了

ここまでやって、やっと修復が完了しました。(有効打は…ASUS Software uninstall でしょうか?)

この状態で幾度か再起動と電源断を繰り返し、安定して起動する事を確認しました。

再チャレンジは後日

いつもは最後にまとめを書いていますが、今回は Synology Active Backup for Business の backup からの recovery を断念しました。今のところ考えられる敗因は以下の通りです。

  • 複数台の起動 drive が接続されていた事。NVMe SSD に復元した直後に SATA SSD を取り外しておけば大丈夫だったかも知れません。
  • 複合的に trouble が重なった事。原因ははっきりしませんが、ASUS の Software を uninstall してから落ち着いてきました。UEFI の設定を変更したり USB media から起動したくても UEFI が表示されない、再起動で black screen の状態から抜け出せたタイミングは uninstall でした。

恐らく、SSD 1台で復旧する場合には Windows10 のスタートアップの修復だけで起動できると思います。このまま断念するのは気持ちが悪いので、近いうちに再チャレンジします

(おまけ) Synology Hyper Backup for Business 復元メディアを Virtualbox 仮想マシンで起動させる方法

ポイントは4つあります。

  • 仮想HDD は 1TB 以上を準備 (復旧させなければ実際に1TBは使用しません)
  • UEFI を有効にする
  • 復元メディア を PC に接続し Virtualbox の USB 設定に追加する

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起動順に USB の選択肢はありませんが、UEFI boot にしておけば、自動で探して USB から起動します。