Aviutl で iPad の動画を編集する方法
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下の息子(幼稚園年長)の将来の夢は「ユーチューバー」らしいです(^_^;) 最近は多いみたいですね。
最近の息子の Youtube のお気に入りは「青鬼オンラインのプレー動画」らしく、各30分の時間制限(iOS のスクリーンタイムで設定)の中で、青鬼オンラインの攻略動画を見て、実際のゲームを攻略する毎日となっています。
息子の夢を少しでも実現に近づける為に、まずは青鬼オンラインの動画を記録し、PC で編集、攻略動画を試しに作ってみる事にしました。
普段、息子は iPad で青鬼オンラインをプレーしています。iOS で記録した画面の動画を AviUtl で編集する際に、色々とトラブルがありましたので、他の方の参考になればと思い、回避策を含めて書いておきたいと思います。
目次
iPad の画面の動画を記録する方法
iPad (iPhone含む) では、OS の機能として画面の動画を記録する事が出来ます。
support.apple.com
「画面収録」という機能で、上のリンク先ではコントロールセンターに配置する手順となっています。その手順通りに行えば、iPad なら画面右上から下方向にスワイプすると、画面収録のアイコンが表示されるようになります。マイクをタップすれば、iPad の音声の他に、マイクで拾った音も同時に記録されます。
iPad のマイクで記録した音声は、お世辞にも良い音とは言えませんので、別の iPhone や PC にマイクを接続して、操作する iPad とは別に音声を記録した方が、音も奇麗で後の編集もやり易いかと思います。今回はプレイ動画の編集ですので、そこまではやってません。
iPad (2019) は Retina ディスプレイで 1620 x 2160 の画面サイズですが、記録される画面収録の動画は 1440 x 1920 でした。
iPad から PC へ動画をコピー (Synology DS Photo バグあり)
動画が長時間になりサイズが数GBとなると、PC にコピーするだけでも一苦労です。
私の家では Synology DS218+ という NAS に DS Photo というアプリで転送するようにしていますが、1時間とか平気にかかります。放っておけば転送してくれるのは利点ですが、大容量の動画を繰り返し転送するバグがあります。大容量のファイルが転送できた事が確認できたらその動画は iPad から削除し、DS Photo を再起動してそれ以降の写真と動画の転送を開始すれば回避できます。
Lightning ケーブルで転送する場合には、通常の設定では数GBのファイルはエラーが発生して転送できません。内部で記録している動画の形式を変換してから PC に渡す機能が、大容量の動画には対応していない為だと思います。以下のページの様に、設定 -> 写真 -> MACまたはPCに転送の項目を「元のフォーマットのまま」を選択すれば回避できます。
d-lavie.com
ただ、Lightning ケーブルも USB2.0 相当なので速度は期待できないかもしれません。こちらは今回は試していません。
AviUtl で編集
動画編集の目的
動画が PC で再生できる状態になったら、今度は編集作業になります。
- 全画面広告等の不要な部分は除去する。
- 動画の最初に日時と動画全体の説明をする画面を入れる。最後に「終了」の画面を入れる。
- 動画の区切り毎に次の動画の説明を入れる。
- プレー画面内の広告にモザイクを入れる。
直ぐに Youtube に投稿する訳ではありませんので、この位を目標にしました。
AviUtl のインストール
ユーチューバーが使用している高価な編集ソフトはとても買えませんので、今回はフリーソフトの AviUtl を使ってみました。32 bit ソフトなので高画質・大容量の動画編集は難しいかと思っていましたが、工夫する事で Full HD で数GB の動画の編集とエンコードは可能な事が分かりました。
インストール方法は「AviUtl の易しい使い方」の中の、以下のページが初心者にも分かりやすくおすすめです。私もこの手順でインストールしました。
個人的に興味があったので、 h264 と h265 のエンコーダを追加で入れました。
aviutl.info
h265 のエンコーダのインストール手順も同様です。
ここまでのインストールが終了した段階で、息子の幼稚園のビデオ (Full HD) を使って簡単に編集してみました。複数の動画を連結してテロップ等を入れてエンコードして、問題なく h264 と h265 の動画ファイルが作成でき、PC や iPad で再生できました。
トラブルその1 iPad の動画が取り込めない
次に、iPad の画面収録で記録した動画を編集しようとしてみましたが、タイムラインにドラッグしても読み込めません。もちろん、通常の Full HD (1920 x 1080) の動画は読み込めて、編集も出来ていました。
もう一度インストールの手順を見直した所、最大画面サイズの所を、幅2200 (1920 + α)、高さ 1200 (1080 + α) に設定している事に気付きました。iPad の画面収録の動画は、幅1440 x 高さ1920 であり、高さが最大画面サイズよりも大きくなっていました。
改めて最大画面サイズの高さを 2200 に設定した所、無事にタイムラインに読み込む事が出来ました。
トラブルその2 動画と音声がずれる
読み込んだ動画を、プレー動画と全面広告の間で分割して、広告部分を削除して、… を繰り返して、プレー動画のみを一続きにしました。プレビュー画面で再生しているところを息子が覗き込んで一言、「音がずれてる!」。改めて連続してプレビューしてみると、動画と音声が徐々にずれている状態でした。
ググると、そのものズバリの解決策がありました。
aviutl.info
ちなみに「音ズレする!!」と言ってる人の大半はVFRが原因です。
スマホで撮影した動画はほぼ VFR (可変ビットレート) だそうです。AviUtl では CFR (固定ビットレート) で読み込む必要があります。
「L-Smash work」プラグインの VFR -> CFR の設定を、30000 / 1000 に設定したら音声のずれは無くなりました。
トラブルその3 操作が重くなる、エンコードに失敗する
広告部分を削除してプレー動画のみを残し、動画の先頭に説明テキストの画面を追加した所、色々と不具合が出てきました。
- 徐々に操作が重くなってきた。
- タイムラインで赤い垂直線を移動しても直ぐにプレビュー画面が切り替わらない。
- タイムラインでクリックしても赤い垂直線が移動しない。
- h264 でエンコードしている途中にエラーメッセージが出て、その部分の動画がエンコードされずに静止画面になる。
- h265、簡単MP4出力でも発生した。
エラー表示は下の画面です。
動画の編集をもう一度最初から始めると、プレー動画のみに分割してエンコードするだけでもエラーメッセージが表示されました。その時に編集していた動画は画面サイズ 1440 x 1920、時間にして約40分、約7GBのサイズの動画であり、AviUtl での編集は難しいのかなぁと諦めかけていました。
少しでも動作を軽くする方法は無いかとググった所、次のページが見つかりました。
aketama.work
上のページに記載されている内容を、以下の順番で行ってみました。
- キャッシュサイズを増やす。8192 MByte まで増やした。
- 「画像処理を間引いて表示」にチェックを入れる。
- 動画ファイルのハンドル数を増やす。8 -> 16 に増やした。
- 分割して不要な動画を削除せずに、非表示のレイヤーに移動した。
- LuaJIT の更新版 (LuaJIT205) をインストールした。
- InputPipePlugin をインストールした。
最終的に、最後の「InputPipePluginをインストール」した所、状況が劇的に改善されました!
約7GBの動画の中からプレー動画のみを分割して取り出し、全面広告等は非表示レイヤーに移動、プレー動画内の広告にはモザイクを入れて、h264 と h265 の高画質・高速エンコード共にエラー表示なく作成できました。
まとめ
iPad で画面収録した約40分の動画 (1440 x 1920、約7GB) を AviUtl で編集してみました。
InputPipePlugin を入れるまではトラブルの連続でしたが、これを入れてからは編集時の動作も軽くなり、エンコードの失敗も無くなりました。モーショントラッキングは道半ばですが、他の機能も含めて、毎日作成される動画の編集を通して少しずつ身に付けられたらと考えています。
ここまでで出来上がった AviUtl 一式の入ったフォルダは圧縮して保管しました。ショートカットも一部変更したので、今後もプラグインを入れたりした際にはバックアップを取っておきたいと思っています。
AviUtl は、操作方法に癖はありますが多機能で素晴らしいソフトウェアだと思います。AviUtl 及びプラグインの作者の方々に感謝致します。